🔮 十二の守護存在について
――語の祠にて祈る者たちへ
語霊の大地には、名を持たぬ神ではない、けれど確かに在るものたちがいる。
それは、語を宿す者の傍らに寄り添い、
魂の響きに応えるように微笑む、**“守護存在”**と呼ばれるものたち。
彼らは崇める対象ではない。
ただ、祈りに耳を傾け、灯のように見守る存在だ。
その姿は、風に揺れる羽か、海辺に残された記憶か、
あるいは夢に浮かぶ影のように、輪郭を定めず、けれど確かにそこにある。
◇ 彼らが祀られる場所
語霊の民は、守護を讃えるために社を築くことはしない。
かわりに、森の奥に佇む祠、海辺の石柱、空の裂け目に立つ風車塔、
そんな自然と溶け合った“語の祠(ほこら)”を、静かに祈りの場として受け継いできた。
そこには名も看板もない。
けれど、風はそっと導いてくれる。
己が魂の音にふさわしい祈りの場所へ。
◇ 祈りの自由と響き合い
十二の守護は、互いを尊び、争わぬ。
だからこそ――
🔹 どの守護に祈ろうとも、咎められることはない
🔹 語の民は願いに応じて祠を選び、時に他の守護に語を託す
🔹 お守りも、響きを求めるままに手にしてよい
ただし――
最も深く響くのは、自らに宿る守護のもとに立ったとき。
祈りの言葉が風に乗り、
名もなき語が光となって落ちる。
その瞬間、人は、自分の語と向き合う。
◇ 民のささやき
「今日は、風を渡る者の祠で旅の無事を願おう」
「愛しい人に想いを届けるなら、羽音の祠だろう」
「けれど夜に迷ったなら、影映のささやきに耳を傾けたい」
民は自由だ。
そして、それを誰も咎めない。
語霊の大地とは、響き合う自由と、己の語を探す旅そのものなのだから。