
地の奥から天に突き抜ける烈火の巫女。決断と突破を司り、迷いを断ち切る力を持つ。
選ばれし者に火を灯す存在。
司る領域:
起業成功・断捨離・方向転換・強い決断・選択の導き・炎上力・自己実現・運命の覚醒
「断火(だんか)の刃、選びし者」
すべてを断ち、すべてを決する刃のような巫女がいた。
名をサグリヒメ。
雷と火を併せ持つ、選定と突破の神である。
彼女が現れるとき、それは必ず「何かが終わり、何かが始まる」瞬間であった。
迷いが極まったとき、道が分かたれるとき、魂が揺れるとき――
サグリヒメは現れ、問いを投げかける。
「おまえは、どちらを選ぶのだ?」
かつて、ある戦士がいた。
彼は仲間を守るため、己の力を抑え続けていたが、その代償として次第に語を失いかけていた。
誇りか、信念か、未来か――選べぬまま、日々は過ぎていった。
ある嵐の夜、彼の前に雷が落ち、焔が裂けた。
そこに立っていたのは、紅と白の炎をまとった巫女。
彼女の眼差しは真実だけを映し、誰にも媚びることなく、ただまっすぐに問うた。
「その選ばぬ姿こそが、おまえの力を鈍らせている。」
男は恐れた。選ぶことが何かを捨てることになると、知っていたから。
だがサグリヒメは笑った。
「捨てねば得られぬことがある。
決めねば届かぬ地がある。」
男は覚悟を決め、己の炎を解き放ち、語を取り戻した。
その一閃が戦局を変え、仲間たちは救われたという。
サグリヒメは、優しさの神ではない。
だが真に願う者に対しては、どんな犠牲も恐れぬ覚悟を問う、誠の導き手である。
彼女の祠は、分かれ道に建てられていることが多い。
道を選ぶべき瞬間――人はそこに立ち寄り、そっと問いかける。
「今、私は何を選ぶべきか?」
その問いのあとに炎が見えたならば、
それはサグリヒメがあなたに語を授けた印。
決してやさしい導きではない。
けれど、決断の先には、必ず新しい語が生まれる。
それが、サグリヒメの揺るがぬ役目なのである。