
光と焔を併せ持つ太陽の巫女神。喜びと祝福をもたらし、人々を明るい未来へ導く守護存在。
祝祭の語を携える。
司る領域:
商売繁盛・金運・繁栄・結婚・人生の祝福・祭事成功・パーティー・人気運・開運全般
「光火(ひかりび)の誕祝」
語霊の大地に七つの陽が現れた朝、人々はまだその意味を知らなかった。
夜明け前に火柱が立ち、空が七色に染まると、古き記録者たちは「祝福の兆し」と口を揃えた。
その中心に現れたのが――
炎と光を纏い、笑みを浮かべた一柱の巫女神。
名をナナヒノアマという。
彼女は“始まり”に現れ、“祝福”を灯す存在。
生まれる命、結ばれる縁、巡り来る繁栄――
あらゆる「陽の循環」を司る神格である。
ナナヒノアマの祭祀は、かつて「焔の舞」と呼ばれた儀式とともに行われていた。
焔を灯した七つの灯籠を順に回し、その光が消えぬまま最後まで辿り着けば、願いは叶うとされた。
ある村に、一度も笑ったことのない子がいた。
生まれたとき、空は曇っており、火も光もその子に近づこうとしなかった。
「祝福されぬ命」と陰で囁かれ、子は声を閉ざしていた。
ある年の祭礼、ふと風が変わった。
誰かが手を引いたわけでもないのに、子は火を灯した灯籠の前に立っていた。
火は揺らがず、光は消えず、七つすべてが巡り終えたとき――
空から一筋の金の光が降り注ぎ、その子の頬に、はじめて笑みが浮かんだ。
それを見届けた者がいた。
焔と光の衣をまとい、天から地を見守る巫女――
ナナヒノアマである。
彼女は人の中に眠る「芽吹きの語」を祝福によって目覚めさせる。
それは目に見えぬが、言葉や行動に“光の余韻”として宿る。
商売が繁盛する、縁が結ばれる、祭りが成功する――
そうした出来事の背後には、必ずといってよいほど彼女の「火の祝詞(のりと)」が吹き込まれているという。
ナナヒノアマに祈る者は多く、その声は楽しげで、時に切実で、いずれも“何かを始めたい”者たちの声である。
始まりの火が灯るとき――
それがナナヒノアマの祝福であり、
語霊の世界においてもっとも輝かしい「語のはじまり」である。