
見て酔って、飲んで酔って、また見て酔う。
子どもの時からなぜか石をみてるのが好きだった。ゲームも好きだしそれなりにスポーツもやってたけど、またそれとは違ってこう……。
石を割った断面のキラキラとか、図鑑の宝石とか、つるつるの碁石とか。んで、ちょっと調べると逸話とか科学な話とか色々出てきてさらに深みにはまってた。なんとも言えないあの時間。
酒を飲むようになってちょっとうまく言語化できた。そうそう、あー、あれはある意味、酔ってたんだなあと。
ということで、一緒に石と酒と宝石と酔ってみませんか?
透明な酔い
透明といえばその代表格(たぶん!)、水晶(クオーツ)。誰もが知るポピュラーな石なんだど、その誕生には想像を絶するドラマがあったりなかったり。
水晶は、地球の奥深く、地中の熱水に溶け出した二酸化ケイ素が気の遠くなるような…ほんとに気の遠くなるような時間をかけて、ゆっくりと冷えて固まっていき、その過程で不純物を可能な限り排出し、純粋な透明の結晶へと成長していく。
数百万年という途方もない時間を経て、研ぎ澄まされた透明感は、ちょっとカッコいい言い方をすると、まさに「時」の結晶。古代の人々が水晶を「水の化石」と呼び、あるいは「清める石」「万能の石」として重宝してきたのは、この極限の透明性、そしてこの途方もない生成の時間を感じていたからなのかも?
そしていまでも水晶を見つめるだけで、ある意味、地球の歴史を体感できる。深く、静かに、心を透明に透き通らせる……そんな感じで「見て酔う」を楽しんでくださいな!
水晶が名付け親となった酒
水晶と一緒に酔える酒といえば……水晶を体現している一本、福島県にある「金水晶(きんすいしょう)」!
この酒蔵の名前は、地元にあった「金山」と、そこを流れる清らかな「水晶沢」という名水に由来していて、もうその起源においてすでに「石(水晶)のスピリット」を宿してる!
実際、この水晶沢の水は、明治天皇がその美味しさを褒め称え「金明水」と名付けたほどの由緒ある名水だそうで、水晶が持つ「清らかさ」と「神秘性」、そして「透明性」が、そのまま酒の源流になっていいる。
こんな豆知識を頭に入れて金水晶を口に含み、透明な水晶をながめ両方の歴史に酔う。酒に酔って、石でも酔う。二つの異なる酔いを楽しんでみてくださいな~