登場人物一覧
◆ アマリ(主人公)
星降る記録者。記録者 → 語を読む者 → 語の輪をつなぐ媒介者。
星の揺らぎに“語られなかった語”の痕跡を見出し、それを図としてではなく「響き」や「波紋」として記録する異端の記録者。記録そのものの形を再定義していく。
自身の内なる語(語られなかった記憶)と向き合い、記録者でありながら「記録される者」となった。
◆ スフィア
星降る記録者(記録観察者)。保守派の代表としてアマリの“語の託し方”を観察・検証する立場。
初期は記録の形式や正統性に重きを置いていたが、アマリの記録から「語の本質は固定されないこと」を受け入れ、理解を深めていく。
◆ ユヅル
系譜不明(非記録者)。語の座標を持たずに生きてきた青年。
記憶の中に語にならなかった痛みを抱えていたが、アマリの観測によって“語の座標”を与えられ、記録の中に自身を見出す。
◆ シヲリ
深林の血族。語聴き(かたりき)、響きの共振者。
森の気配や木の揺らぎを通して語られぬ声を聴くことができる。他系譜としてアマリの星図に呼応し、星の語と森の記憶の共振を導いた。
◆ ラキ
未所属(旅人)。記録と記憶の“響き合い”の証人。
幼い頃から星の記憶に触れていたが意味を見出せずにいた人物。アマリの語に触れることで“他者の語が自分の記憶を目覚めさせる”という共鳴の受け手となる。
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📘『星降る記録者』用語集
◉ 星降る記録者(ほしふるきろくしゃ)
系譜の一つ。語られなかった語、記録にすらならなかった“揺らぎ”を読み取り、星図や波形として記録する観察者の系譜。語の秩序と記録の精度を重んじつつも、「観測されなかった語」にも耳を傾ける。
◉ 星図(せいず)
星の動きや軌道を記録した図。記録者ごとに手法が異なる。アマリは波紋・揺らぎ・共鳴を用いて、従来とは異なる“非定型の星図”を記した。
◉ 心記(しんき)
星の語を文字や図に記す前に、記録者の内側にいったん宿し、“感覚としての語”として保つ技法。魂で語を聴く技とも言える。
◉ 封星図(ふうせいず)
記録として認められなかった、もしくは記録を拒絶された語が写された星図。星降る記録者の過去の禁忌的遺産とも言える。
◉ 整形記録(せいけいきろく)
語の揺らぎや歪みを記録者の手で“整え”、意味づけや分類を強制的に付与した記録。真実の歪曲を生み出すとして批判される。
◉ 共鳴星図(きょうめいせいず)
アマリが記した、複数の者の記憶と反応を重ねて描かれた星図。語の“個人からの脱却”と“共有化”を記す新たな形式。
◉ 記録なき記録柱(きろくなききろくばしら)
アマリが立てた、文字も記号も刻まれない中空の柱。語を名づけず、記されずとも、“そこに在る”ことを示すための記録物理。